自己紹介 私はフィルムカメラを手に、闇夜の暗がりに作られた寂寥の街を写す写真家です。 なぜ写真を撮っているのか 私は幼少の頃から明晰夢という奇妙で楽しい体験をしてきました。その夢に立ち上る情景は、現実にしがらみのない自由な妖しさが魅惑して、今この時でさえ私の心を捕らえて放しません。その情景を再び目にしたい、そこに置いてきたあの感情を現実に具象したいという想いが、私を写真の道に駆り立てました。 作品のテーマ あなたが眠りに就くその前に、私の写真があなたの夢の口開けとなる。写真が夢のスタート地点となる。写真とあなたのそのような繋がりが私の活動の主題です。 明晰夢を見ることが出来なくても、眠れぬ夜に写真集を開き、写真の中の街に立つ自身を空想して現実のしがらみを忘れるひと時への契機となれば嬉しいです。 誰しも時折、悩みや不安に囚われて眠れない夜があると思います。 　そんなとき私の写真があなたの“空白”に寄り添い、同じように眠れない夜に写真を見ている人が居ることを感じてもらいたい。あなたが決して孤独ではないということに、安心して眠りに就いてもらいたい。そうした思いが、今日も私を誰も居ない一番線ホームへと向かわせる。 作品タイトル "Oneironaut (dream explorer)" "报复性睡眠(明晰夢の風景を探求する)" タイトルのテーマ 『报复性睡眠』というタイトルは、中国のSNSで生まれた「报复性熬夜」が元となっています。「报复性熬夜」の意味は「日中を満足に過ごせなかった人が、夜になってからそのマイナス分を取り戻そうとする行為」を指します。 日本ではリベンジ夜ふかしと言われています。 私は忙しい1日を過ごした夜、「夢の中で遊べば睡眠時間を確保しつつ、自由時間も確保できるのではないか」と考え明晰夢を見るようになりました。そのような経緯から、「寝ながらにして、　夜更かしをする」という意味で『报复性睡眠』と名付けました。 また、英訳の 『Oneironaut』は夢の世界の探究者という意味があり、「明晰夢探検家」と「写真家」二足の草鞋という意味を込めて付けられたタイトルになります。 人の気配が漂わない時間帯。灯り続ける信号や街灯。 一匹の忍者と一匹の鼠。 彼らもまた街が寂寥に包まれ、夢の深くへ沈む頃、姿を現す。 弍拾六時、誰もが知る場所で、誰も知らない景色を。