ロレンス・スターン 『トリストラム・シャンディの生涯と意見』 （The Life and Opinions of Tristram Shandy, Gentleman） 朱牟田夏雄訳 筑摩書房 1968年初版 函は痛みありますが本体は良好な状態です。 ☆ プルーストやジョイス等の“意識の流れ派”の源流とも先駆的作品ともいわれる本書だが，内容・形式ともに奇抜そのもので，話しは劈頭から脱線また脱線，独特の告白体を駆使して目まぐるしく移り変る連想の流れは，いつか一種不思議なユーモアの世界をつくり出し，我々はただ流れに身を任せ漂うばかりである． 世界文学史上最大の奇書。筋らしい筋はほとんどなく、主人公は第三巻の終わり近くにやっと誕生、ついに子供のままで、「生涯と意見」という表題にもかかわらず、その生涯を描いた作とはいいがたい。「尾頭の心もとなきこと海鼠のごとし」とは夏目漱石の評で、話は脱線また脱線、何を語るつもりかとらえにくい。エッセイ的小説という評もあるが、ジョイス、ウルフら「意識の流れ」を追究する作家が勢いを得てからは、その遠い源流とみなされもした。主人公の父ウォルター、その弟トービー叔父、その配下トリム伍長など、印象深い人物群の存在がこの作を支えている。とぼけた感じの作者独特のユーモアは、物語性を無視したその卓見とともに、ユニークな味を生み、いまなお愛読者をもち続けている。 ☆ 状態は画像にてご確認ください。この機会にぜひ。 R・L・スティーヴンソン バートン モンテーニュ マルセル・プルースト ジェイムズ・ジョイス ヴァージニア・ウルフ アンドレ・ジッド オルダス・ハックスレー ロシア・フォルマリズム ヴィクトル・シクロフスキー メタフィクション ポストモダン文学 エラスムス ラブレー セルバンテス ドン・キホーテ スウィフト 滑稽文学 諷刺文学 サミュエル・リチャードソン ヘンリー・フィールディング 伊藤誓 高山宏 ジョージ・メレディス サマセット・モーム 伊藤整 ジョン・ロック ルキアノス バーバラ・マリア・スタフォード ゲオルク・クリストフ・リヒテンベルク センチメンタル・ジャーニー 後藤明生 芥川龍之介 グザヴィエ・ド・メーストル シェイクスピア 丸谷才一 ヘンリー・フィールディング ジェーン・オースティン 中村真一郎 ヘンリー・ジェイムズ